【SV-S7構築】ユイリューカミラッシャジバコ
ポケットモンスター スカーレット・バイオレット
ランクバトル S7シングル(レギュレーションC-③)2023/6/1〜7/1
TN:ギロス
構築紹介
個別解説
①イーユイ@拘りスカーフ
悪の波動 火炎放射 テラバースト オーバーヒート
高火力スイーパーながらタイプ受けサイクル適性もあり便利な厄災。パオジアンやミラー意識の努力値調整。炎技はパオジアン意識で「火炎放射」一択。水テラスは攻防一体で優秀。フェアリー、ゴースト、草も強いが、カミとタイプが被らず、カミジバコが呼ぶ鋼炎地を処理しやすい点で好相性。「水テラバ」は元々苦手な炎岩地への有効打点となる点、水耐性によりツツミイルカラッシャ等を強引に処理できる点も好相性。とはいえ正直どのテラスでも強いし、「バークアウト」などでも強いと思う。
実戦で、壁下ミトムを悪波急所でワンパンした時はたまげた。
②カイリュー@鋭い嘴
テラバースト 地震 神速 羽休め
現環境最強の物理アタッカーである600族。タイプ、技、特性が非常に優秀で、テラス前提というデメリットが霞むほどハイスペック。ノーマルテラスの方が人気だが、一貫性と高火力が優秀な「飛行テラバ」型を採用。「地震」と合わせて非接触・広範囲・高火力で非常に優秀。対面性能が上がる先制技「神速」あるいは「アクジェ」も必須級。高速環境ではHAベースの方が汎用性が高いと考え、シナジーがある「羽休め」。「アンコール」や「身代わり」は自分より低速なポケモンに有効ターンを稼ぐ技なのでAS向き。ASはミラーやガッサに有利だが汎用性で劣る。互換枠として飛行トドロクツキもいるが、元タイプの飛行(地割れ耐性)、特性含む高耐久、先制技、型や持ち物の秘匿性、アンコールなどの補助技の圧力により相手の無駄な交代や挑発を誘いやすいことなどが利点。持ち物は火力重視で鋭い嘴、テラス前提だが役立つ場面は非常に多かった。少しのS振りが役立つ場面も意外と多かった。甘えるカミ意識でC個体値を下げるのも良いと思うが、役立ちそうな場面はなかった。
実戦で、初手カミのムンフォ耐えてテラバでワンパン→次鋒ドラパのアロー耐えてテラバでワンパン→最後ドクガに神速→裏イーユイで勝ち、のようにカイリューのパワーだけで勝てる試合は結構多かった。また、幾度となく残飯ラッシャやニンフと泥試合をしたが、欠伸守る択は大抵こちら有利なので催眠対策なしでも大体勝てる。
③ハバタクカミ@ブーストエナジー
現環境最強の特殊アタッカーであるパラドックス。ミミッキュには特性や先制技で劣り、主力技の安定性や素早さで勝ると言える。持ち物はブーストエナジーS↑だが、無難に使いやすい一方で即バレする点や交換後無効となる欠点もあるので改善の余地あり。C削ってS振って火力補強アイテムにするのが良い気がする。風船身代わり型とかも面白いと思う。努力値は、自分好みの耐久調整と最低限の火力を確保して残りS。テラス無しでも優秀な「ムンフォ」「シャドボ」は必須だと感じ、今回はカイリューなどの物理アタッカーに強めな甘える痛み分け型で採用。甘えるは天然ヘイラッシャと相性が悪く、急所運負けしやすいので諸説だが、それなりに強かった。
④ヘイラッシャ@ゴツゴツメット
ウェーブタックル ボディプレス 地割れ 眠る
物理受けクッション。持ち物は残飯とゴツメで迷ったが、物理アタッカーへの役割遂行重視でゴツメとした。残飯が発動しないことで相手は怪訝に思うはず。毒テラスは、カミ、ドクガ、ガモス、炎ガッサ等を強引に倒す緊急時に使える。格闘半減によりコノヨ、イルカなどの挑発ビルドレ勢に強くなる点や毒菱回収できる点も優秀。フェアリーだとイーユイ、カイナ、悪パオ、鉢巻逆鱗巨剣などに強いが、構築上の相性も考慮した。鋼ヘビボン型はほぼカミピンポなので候補外。
技構成は、カミ、炎勢への「ウェーブタックル」、挑発ビルドレ勢、受けサイクル勢への「地割れ」、ゴツメと好相性な回復技「眠る」。最後の技は非常に迷った。「寝言」は期待値が低いので候補外。「欠伸」はサイクルコントロールが得意で優秀だが、ステロ枠必須かつ残飯向き。よって、無カイリュー、パオ、ドドゲ、ジバコ、鋼ミトム、身代わりツツミなどに強い「ボディプレス」を採用。
珠パオジアンを4回接触で倒せるので素眠りでも役割遂行が可能。ゴツメ眠る型は優秀なのでさらに開拓の余地があると思う。他にもステロ毒菱撒いて欠伸してカミや霊イーユイで祟り目するギミックも少し考えていた。
⑤ジバコイル@突撃チョッキ
10万ボルト ラスターカノン ボルトチェンジ ヘビーボンバー
鋼枠、特殊受けサイクル要員。ツツミ、カミに有利でブーストエナジー効果を解除させやすく、サフゴ、ハッサムなどの鋼やミトム、ミミッキュにも強いのが優秀。さらに水飛妖テラスが多い環境であることも追い風。地格炎竜を強く呼ぶので、後攻ボルチェンや釣り交換から飛水氷妖などのアタッカーで破壊する。飛行テラスは、弱点の地面格闘を無効半減にしてターン猶予を稼ぐ緊急時に使える。炎水を半減できてテラバを警戒させられる水や竜も良いと思う。あまりテラスせずテラバも不要なので、マジフレ瞑想カミを大抵ワンパンできる「ヘビボン」をピンポイント採用。性格冷静によりジバコミラーで後攻を取りやすいという利点もあるが、ミトムなどのイカサマが痛いという欠点もある。特性は火力補強のアナライズだが、頑丈でも良いと思う。
⑥イダイナキバ@気合の襷
搦め手対策として採用。持ち物は特殊アタッカー(特にドクガ)に行動保障があり撃ち分け可能な襷だが、本当はドヒドワンパンできる珠にしたかった。技構成は襷とも好相性である一致主力技「ぶちかまし」「インファイト」、受けサイクル全般(特にラッシャ)に通る「叩き」、設置技・宿り木・バインド解除+S↑ができる「高速スピン」。他にも採用したい技が多く、技スぺ不足。インファ切って「アイスピ」や「身代わり」も強そう。鋼テラスは弱点6個のうち5個を半減にできるので保険として採用。
環境考察
レギュCでは、禁止伝説を除くパルデア図鑑ポケモンのみが使用可能。
序盤S5では、ディンルー、カイリュー、サーフゴー(デカサ)の並びが大流行。この並びに加えて、デカサに有利なパオジアン、テツノツツミ、水ロトム、ハバタクカミ、ミミッキュ等を採用した対面構築が上位の大半だった。
S6では、パオジアン、サーフゴーに有利なイーユイも増加し、イーユイと相性が良いカイリュー、ヘイラッシャ、ハッサムなども増加。また、キョジオーン、チオンジェン、キノガッサ、ステロ毒菱、アンコールも多く、搦め手対策は必須。
よって現環境ではデカサ、パオジアン、搦め手へのメタ構築が最適解だと考えた。また、高火力や搦め手などに押された受け構築は減少傾向で、今後のレギュD以降も減少が予想される。
構築経緯
まずハイスペックで型が多く、対処が難しいカイリュー+ハバタクカミを採用。主力技が命中安定である点、アタッカーながら優秀な無効耐性により鉢巻カイリューなどが対処しやすい点も自分好み。今回は柔軟に動かせるように拘らない攻撃系汎用アイテムで採用(イーユイが拘りスカーフという理由もある)。
次にパオジアンメタとしてイーユイ@スカーフ+ヘイラッシャを採用。イーユイは上から安全にパオジアンを処理できる点、サフゴなどの中速サイクルに強い点が優秀。ラッシャは拘りイーユイが作る隙を天然でカバーでき、またイーユイが苦手な炎水地格などの物理アタッカーに有利で、地割れや欠伸の存在によりサイクルコントロールがしやすい点を評価。
他の物理受け候補としてハッサムは、パオ、ディン、カミ、ミミ、チオン、ガッサ等に有利展開ができる点、無効なし高火力先制技でスイーパーもできる点が優秀だが、炎全般、水全般、電気全般、鋼対抗馬のサフゴジバコなどに圧倒的に不利である点、数値不足でゴリ押しされやすい点がネック。クレベースは厚底ブーツで持ち物固定なのが弱い点、パオジアンの鉢巻聖剣が確2である点がネック。
そして上記4体で重めのカミ、ツツミ、ミトムに対してテラス無しで有利に戦えるジバコイル@チョッキを採用。毒や麻痺が効かない点、主力技が命中安定である点も優秀。地面格闘弱点もカイリューカミラッシャなどが補完できる。
他の特殊受け候補としてセグレイブ@チョッキも使用した。炎勢に強く、連続技と先制技があり飛行カイリューとも殴り合える高い対面性能など非常に優秀だったが、テラス無しではカミが受からずツツミもワンパンできない点が気になった。フェアリー技や毒々の一貫も厳しいので鋼か毒が必須だと感じ、ジバコイルに変更した。
最後に、塩、毒菱チオン、ステロディンルーなどの展開に対して優位が取れるポケモンを模索した。塩漬け、怯み技などの対策として隠密マントは強力だが、受動的な効果であるため高耐久や再生技持ちのポケモンでないと効果が薄い。また胞子や宿り木が厳しいので草タイプやサーフゴーなどが必要となるが、当然対策されていて簡単に炎で反撃されるので有利とは言い難い。これを避けるため、対面構築では「受けを許さない高火力」「身代わり」「挑発」で搦め手対策するのが適切だと考えた。特にチオンジェンは弱点高火力でゴリ押す方が勝ちやすいと思う。したがってキョジ、チオン、ディンに高火力をぶちかますことができて毒菱勢も破壊できるイダイナキバを採用。カイナに強い点も高評価。
催眠技は完全に切ってカイリュー等で対面処理することにした。
選出
カイリューの選出率が高くテラス最優先で、他は相手に合わせて自由に選出。必須ではないが優先的な選出パターンを以下に記載。
・ツツミ、カミ →ジバコ
・パオジアン、壁構築 →イーユイ、ラッシャ
・搦め手、受け構築 →キバ、カイリュー
苦手相手
・飛行カイリュー、トドロクツキ:対策枠となるパオ、ツツミ、ミトムは主力技が命中不安定なので採用したくなかった。カイリューはノーマルテラスが多く、ツキは少数なのでありがたい。実戦ではカイリューカミイーユイで強引に削るか、ジバコのテラス択で勝つ。
・岩キノガッサ、マスカーニャ:数的不利を背負いやすいが、構築パワーで多少リカバリー可能。
・ミトム+特殊受けドオーハピラキ:キバ必須だが厳しい。
総評・感想
「元タイプ被り無し」「主力技が命中安定」「高速2、中速2、低速2」「対面4受け2」と非常に綺麗な対面+サイクル構築である。一部の対面構築では引き先を用意していないことで不毛な択ゲーになりやすく、更に命中不安技だらけで試合が運に左右されやすい。本構築では、それらの不安定要素を可能な限り排除した。とはいえオバヒや地割れも少なからず使用しており、しばしば外して嘆いていたし、状態異常、有効急所、一撃必殺技の被弾で窮地に立たされることも多かった。
多忙ながらモチベがあったのでちょいちょい遊んでいた。最近のポケモン界隈はWCS2023運営問題で大波乱、ランクマ人口大幅減少傾向、ポケカ問題と悪い印象しかないが、それなりにゲームを楽しめた。
Special Thanks
ハバタクカミ、イダイナキバの個体提供者様
フォロワーの皆様、対戦してくださった皆様